第85話

アヤトってノリが軽いけど、一緒に居ると明るい気持ちになる。



みんな、その明るさに惹かれるのかな?



いくら萎れてても無性に元気が出てくるもん。



太陽の光を浴びて光合成をする植物と一緒で。




「そうだねっ。うん。ありがと」




アヤトにヘラッと笑顔を返したら軽く腕を引かれた。




そのまま体を引き寄せられて、スッポリとアヤトの腕に包まれる。




え?どうして抱き締められちゃってるの!?私……っ。




「お礼はキスでいいよ。カンちゃん」



「……はい?」




アヤトの色素の薄い瞳に吸い寄せられる。



その余裕たっぷりな顔からは全く真剣さが見えない。



そのまま呆然としていたら、チュッとリップ音を立てて頬っぺたにキスをされた。

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