第76話

「あ、あり得ないって……」



「カンナが俺にゲームで勝てたらさっきのアヤトのこと教えてもいいよ。まぁ、無理だろうけど」



「ゲーム?」




自信満々に言い切られてテレビに視線を移す。



ゲームのオープニングがテレビの画面に映し出されてる。



迷彩柄の戦闘服に身を包んだ外人がライフルを構えている映像。



プレイヤー同士が対戦出来るシューティングゲーム。




「え?このゲーム、ナオの得意なやつじゃない!無理だよっ。勝てるわけないってば」



「じゃあ、諦めなよ」



「やだ。こうなったら絶対に勝って教えて貰う!」



「ふーん。せいぜい頑張れば?オバサンが帰ってくるまでね」




ナオはそう言って意地悪な笑みを浮かべながら、頭をポンと叩いてきた。



ナデナデもいいけど、頭ポンも結構いいかも……って違う!誤魔化されないんだからっ。



絶対に勝って教えて貰うもん。





「んー。入るタイミングが……」



ママがリビングのドアの向こうで苦笑いを浮かべた──。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る