*変わったオーナー*

第77話




残念無念ってこのことだと思う。



やっぱりあのゲームでナオに勝とうなんて100年早かった。



5回も戦ったのに、結果はボロ負け。



結局、教えて貰えなかった。





『ねぇ、カンナ。アナタ今日学校をサボっていったい何をしてたの?』




夕日で真っ赤に染まる大通りの歩道。



携帯片手にエスプレッソに向かって歩いていく。



電話の相手はサナちゃん。



家を出て少し歩いた辺りで掛かってきた。





「朝、園芸部の先輩に水を掛けられて制服が濡れちゃったの。だからナオと一緒に帰ってきちゃった」



「また嫌がらせ?やーねぇ。女の嫉妬は。それにしてもナオと2人でネ〜。へぇ、そう。ふふ」



「別に何もないよ?戦闘をしてただけだもん」




楽しそうに含み笑いをするサナちゃんに言い返す。



ちょっと抱き締められたりしたけど秘密にしとこう。



サナちゃんのことだから、変に盛り上がっちゃいそうだし。

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