第75話

子供の頃からずっと一緒に過ごしてきたけど、こんなの今日が初めてだ。



今のは何だったのかな?



ふ、2人っきりだし、ムラムラした……わけないか。



あーもう。ちょっと気まずいよ。



早くママ帰ってこないかなー。




モヤモヤしている私と違って、ナオは平然とした顔でゲームを箱から取り出してる。



横顔はいつも通り涼しげで。





「ね、ナオ。さっき私にキスをしようとしたの?」




気になって仕方がなくて、結局ナオに尋ねた。



だって乙女だもん。



あんなことされたら、やっぱり気になっちゃう。




「そうだよ。って言ったらどうすんの?」



「え?んー。わかんない」



「ふーん。そ。まぁ、あり得ないけど。はい、これ」




テレビにAV線を繋いでいたナオは、テレビから私に視線を移すとコントローラーを手渡してきた。

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