第71話

不満気な表情を浮かべる私の体を引き寄せて、ナオはさらに強く頭を乱暴に拭いてくる。



喜んでいいんだか悪いんだか……。



全然わからない。



優しいのか冷たいのか、ナオの性格ってイマイチよく掴めないよ。





「カンナさ、ショウと喧嘩したんだって?」



「うん……」



「仲直りすれば?」



「もう!ナオまでサナちゃんと同じことを言う〜。今回は絶対に許さないの!」



「あっそ」



「あっそって……じ、自分から聞いておいて?何なのっ!?」




ムカついた私はナオの体に凭れて濡れた髪の毛を押しつけた。



ナオはため息をつきながら、私の頭をタオル越しにガシッと掴んでくる。




「冷たいんだけど」



「ふふ。ざまぁ~」



「……お子様」



「なっ!」

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