*やめとけば?*

第70話




氷を入れたグラスの中で、ミルクとココアが混ざりあう。




お風呂から出た私はリビングのソファの上でアイスココアを飲んだ。



自分では美味しく感じるのに、飲みたいと言っていた本人は不満そうに眉を顰めてる。





「薄い……」



「飲みたいって言ったのはナオじゃないっ」




制服姿のナオを軽く睨む。



ナオはグラスをコトンと机に置くと、私が首に引っ掛けていたタオルで私の頭をゴシゴシと拭き始めた。




「髪の毛、乾いてない」



「ちょ、ちょっと……ナオ。もっと優しく拭いてよっ」




乱雑に頭を拭かれて、ちょっと頭がクラクラする。




「カンナ……」



「なに?」



「化粧前と化粧後だと、やっぱりちょっと顔が違うね」



「……はは」




もう乾いた笑い声しか出ない。



相変わらず私の扱いが酷すぎるよ。

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