第64話

ただの悪口だけだったらまだいいけど、あからさまな嫌がらせをされたりすることもあったり……。



上級生のお姉様たち怖いよ。



1人のときを狙って“何か”をする人が多いんだもん。





「あら?篠田さん。おはよう」




歩いてたら花壇のお花にお水をあげていた3年の園芸部の先輩が私に声を掛けてきた。




「あ、先輩おはようございます。毎日お花にお水をあげてるんですか?」



「毎日あげなきゃ枯れちゃうでしょ?」




先輩は私に返事をして、上品に微笑みながらホースを持ったまま振り返った。



ホースから流れていた水が勢いよく制服に飛んでくる。





「わわわっ!やだっ。先輩、冷たいっ!!」



「あらやだ。ふふっ。ごめんね?でも、涼しくていいじゃない」





先輩は悪びれた様子もなく私を真っ直ぐ見つめてクスクス笑う。




もしかして、わざと?

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