第62話

「ホント相変わらず、あの男はだらしない上にチャラいわネ。何なの?あのポストみたいな髪型は」



「サナちゃん、ポストじゃなくてホストだよ」



「そう、それ」




公園を通り過ぎて学校に続く坂道の下。



前を歩くアヤトの後ろ姿をサナちゃんが悪態をつきながら目を細めて見つめる。




昔からサナちゃんはアヤトが絡むと毒舌。



嫌いなわけじゃないけど、チャラチャラしているのが嫌みたい。




「野崎さーん。ちょっといい?」





のんびり坂道を歩いてたら、前を歩いていた爽やかボーイがサナちゃんに向かって手を振ってきた。



少しはにかんで恥ずかしそう。




「サナちゃん、呼ばれてるよ?」



「なにかしら?ちょっと行ってくるわネ」




サナちゃんは私に手を振って、その男の子に駆け寄って行く。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る