第60話

「じゃあ、アルバイトをすれば?」



「アルバイト?」



「そう。アルバイト。ちょうどエスプレッソの求人が出てたヨ」



「嘘っ!?エスプレッソの?え、行きたいっ。ううん。行くっ」




大好きなお店で大好きなケーキに囲まれて働けるなんて……絶対に楽しいはずっ。



今日、電話を掛けてみようかな?





「カンちゃんエスプレッソで働きたいの?俺がオーナーに頼んであげよっか?」




急に背中にズシッと重みを感じて振り返ったら、アヤトが私とサナちゃんにもたれ掛かってた。



水色のシャツを第3ボタンまで開けて、スカートと同じデザインのズボンもだらしなく履いてる。



ネクタイもゆるゆるだし……。





「アヤト、だらしな~い」



「ちょっと、離れてヨ。アヤトに触られたら妊娠しそう」



「お前ら言いすぎじゃね?やっぱ頼むのやめとこ」




嫌がる私たちにアヤトが苦笑を浮かべてくる。

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