第52話

「オバサンが飯食ってけ、って言ったから出来るの待ってんだよ。食ったら帰るし」



「約束だからね!」



「おう。ってかさ、俺の服って置いてなかったっけ?いい加減、ユニフォームダルい」




首をコキコキ鳴らしながら、ケイは部屋の中をキョロキョロ見回した。



ベッドに寄り掛かって気怠(けだる)そうに眉を寄せてる。




ナオの服はクローゼットに置いてあるんだけど……ケイの服はあったかな?





「んー?わかんない。ナオの服を借りちゃえば?」



「なんでナオの服があって俺の服はねーんだよ?」



「ナオが置いてったの!もしかしたら下に置いてあるかも知れないし、ママに聞いて来たら?」



「ふーん。ナオがね。まぁ、いいわ。ちょっと聞いてくる」




ケイは少し不満そうな顔をしたけど、素直に部屋から出ていった。




階段を下りる音が聞こえて、直ぐに階段を上る足音が響く。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る