第38話
黒髪短髪、野球少年のケイ。
普段はこんな喋り方じゃない。
女の子を口説くとき以外は……。
「……ケイ。いい加減、変な口説き方はやめた方がいいよ?」
「……ん?」
私が声を掛けたらケイは不思議そうにキョロキョロと辺りを見回した。
そして私の姿を目に捉えた途端に嫌そうに顔を歪める。
「は?お前いるならいるって言えよな!」
「だって言える雰囲気じゃなかったんだもんっ」
「うわー。最悪。嫌なところ見られた。ってかチャリ放置かよ。気の利かない女」
ケイはサナちゃんから離れると私を軽く睨んで、倒れっぱなしだった自転車を自分で起こした。
「はは……」
もう乾いた笑い声しか出ない。
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