第34話

いつも意地悪でツンツンしているナオ。




「ねぇ、ナオ……」



「……ん?」




そんなナオは眠いときにだけ……。




「腕枕して欲しい」



「うん」




“デレ”になる。




スッと伸びてきた腕と肩の間に頭を置いたら、ナオはいつも通り私の頭を撫でてくれた。





恋人同士がするこのスタイル。



中学生の頃に甘えたくて甘えたくて仕方がなくて、ナオに甘えたのが始まりだった。




年頃って言ってもナオは一度も私に破廉恥なことをしてこないし、絶対的な信用がある。



だから未だにナオが泊まりにくると甘えてしまう。




だって頭を撫でてくれる人なんか“デレ”の時のナオくらいなんだもん。



いつもこの眠りにつくまでの時間が楽しみで仕方がない。




それにナオがする腕枕って凄く心地よくて直ぐに眠くなる……。




「ナオってお兄ちゃんみたい……」



「年齢的には……ね」






眠りに落ちる瞬間、ナオに抱き締められた気がした──。

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