第33話

ナオは一度を目をぎゅっと瞑ると眠気をふき飛ばすようにパチっと開いた。



眠いからかな?



奥二重が普通の二重になってる。




「……あれはカンナが簡単に考えてると思ったからだよ」



「キスのこと?」



「うん」




小さく頷いてナオは額に腕を当てて私の方に視線を向けてきた。



首を小さく傾けてじっと見つめ返す。




「簡単に考えてないよ?」



「ならいい。あ、膝の傷…ちゃんと消毒した?」



「うん。ママがしてくれた」



「……そう」




ナオの目が再び閉じられていく。



何だか……。



誤魔化されちゃった気がするのは気のせいかな……?



ま、いいや。




「ナオ、寝るの?」



「うん」




完全に目を閉じたナオは半分寝ぼけた声で私に返事をしてくる。



嬉しくて顔がついつい綻ぶ。




ふふ。チャーンス!



やっとお楽しみの時間がきた。

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