第24話

笑い続けるナオの顔を至近距離でじっと見つめる。




前髪を軽くヘアピンで止めて、オデコを全開にしてるナオ。



肌なんかスベスベで綺麗だし。



黙ってたら美男子なのに。





「ね、ナオ。ちょっと黙ってみて?」



「嫌だ」



「ちょっとだけ。ね?」



「カンナの言う通りにして、俺に得することが何かある?」





必死にお願いをしてるのに、ナオは首を少し傾げて私の目を真っ直ぐ見つめてくる。



もうっ。本当にひねくれ屋さんなんだから。





「あっそうっ。じゃあ、いいよ。黙ってくれないならチューしちゃうもんっ」



「いや、黙るから勘弁して」




冗談で言ったのに、ナオは本気で嫌そうに顔を引き攣らせる。



そ、そこまで嫌がらなくてもいいのに。



ちょっとショックだよ。





「冗談だよ……」



「いや、カンナが言うと本気に聞こえるんだよね。ほら、親父にキスしたって前科もあるし」




うっ……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る