第25話

そう。ナオの言う通り。



確かに私は裕也オジさんにキスをした。



でも、それは……。




「赤ちゃんの頃の話でしょ!それに私は全く覚えてないもん」




写真に写ってたのを見ただけなのに。



ナオったらしつこい。



ママがナオに『カンナちゃんがね~』なんて教えるからだ……。




「でも、キスはキスだよ」



「違うよ。それに親戚同士のキスなんかカウントに入らないもん」



「入るって」



「入らないよ」



「入る」




否定する私に対抗する勢いでナオはひたすらムキになって言い続ける。



何なの?もう。




「どうしてムキになってるの?」



「別に。ただ……」




ナオが何かを言おうとしたとき、部屋のドアが派手な音を立てて開いた。

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