第20話

皆にからかわれる場面を想像したのか、ナオは嫌そうに顔を顰めた。



それでも漫画から目を離さないけど。




確かにあの3人が知ったら猛烈にからかってきそう。




『お前、少女漫画って。超乙女チック~。そう言えば前から仕草とか女っぽいと思ってたんだよなー。実は女じゃねーの?脱いでみろよ。ほら』とか言って。





「何でもネタにするもんね。あの3人は」



「うん」



「別にいいのにね?男の子が少女漫画を読んだって」



「カンナ、煩い。今いいところだから黙っててくれない?」




首を縦に振って納得する私にナオは煩わしそうに返してきた。



邪魔するな、と言いたげにチラっと冷たい視線を送られて思わず固まる。





「ご、ごめん……」



「うん」



「……怒ってる?」



「怒った」




しつこく聞く私に呆れ果てたのか……。



ナオは小さくため息をつくと、漫画を閉じてベッドの上にポイと投げ捨てた。

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