第21話

「邪魔だった?」



「かなり邪魔だった」




不機嫌そうにそう言って、ベッドに寝転がって鬱陶しそうに私を見つめてくるナオ。



強い眼差しにギクッと体が強ばる。




やばい……。



このままじゃ帰っちゃう。



ナオが私の家に泊まったとき限定の“お楽しみ”があるのに……。





「……ごめんね?」




慌ててナオの服を掴んで涙目で謝ってみた。




“男の子は涙に弱い”



乙女マジック、パート2。ふふっ。





「…………」




ニコニコ笑いながらナオの返事を待つ。



でも、ナオは何の反応も返すことなく、黙ったままスっと奥二重の目を細めて私を見つめてくる。



う、嘘泣きってバレちゃったかな?




「ナオ……?」




恐る恐る名前を呼んでみる。



もしかして、詐欺とか言うつもりだったりして……?




心配になってきた。

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