第13話

「もう!自分から聞いたくせに」




食器棚の扉を閉めてぶつぶつ呟きながら頬っぺたを膨らます。




小麦粉が頭上から降ってきた。




「えぇっ?な、何これっ?」




大量の白い粉が全身を包むように落ちていく。



抵抗する間も止める暇もなく、小麦粉はあっさりとキッチンの床一面に広がった。




やばい。


マ、ママに怒られる!!




「あはははははっ!!」



「ははははっ!!」




リビングから2人の笑い声が聞こえる。



これは確実に“仕組まれた計画的犯行に違いない”




ムカついた私はお皿とフォークをシンクの上に置いて、小麦粉塗れのまま2人の前に飛び出した。



私の姿を目に捉えたアヤトとナオはお腹を抱えて、さっきよりさらにヒートアップして笑い続ける。




「ふふっ……」




2人があまりにも笑うせいで、私も釣られてちょっと笑ってしまった。



って、ダメダメっ!



笑っている場合じゃないっ!

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