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彼の姿がリビングから見えなくなると、途端に張り詰めていたものがなくなり、ふーっと息を吐いた。
結婚してから何週間も経つのだから、夕飯を食べてもらえないことは分かっている。
彼は帰ってくる前に、本当に愛する人の元で、手作りの夕飯を食べてくるから。
でも私たちは一応、夫婦であるから、食事を用意して食べるかと聞く。そんな茶番を毎日繰り広げている私たちは夫婦ごっこをしているようなもの。
だから、彼には本当に愛している人がいるし、私もそれで構わないと思っている。
彼はただ、家に帰ってくること、という契約があるから、この家に帰ってきているだけなのだから。
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