第28話

彼の機嫌が悪くなればヒヤヒヤして。


 気に掛けてくれてると知っただけで嬉しくなって。


 笑顔を見れば、大概のことは許せてしまう。




 この頃思う。


 彼は私の、何だろう。


 以前と変わってきた、彼への気持ちは何だろう。



 目が合う。言葉はない。


 でも小澤さんが、お互いの関係を大切に扱おうと努力していることは伝わった。瞳に、包み込むような暖かさを感じたから。


 だから私は項に回した腕に力を込める。


 私の生活の中には、いつだってあなたがいると教えたくて。



 校内で過ごす、二人の時間。


 いつもよりやんちゃなキスをしかけてくる小澤さんに、もし彼が同い年だったら、どんな関係だったろうかと想像した。

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