第9話
その翌日、レイプまがいの行為の強要があったとして警察が店にやってきた時は、やっぱり…と肩を落とすしかなかった。
彼女たちにも再三警告したのだ。
でもきっとこの店でなくとも別の場所で同じ結果になっていただろう。…カオリさんはそう言って慰めてくれたけど、タツキは胸のモヤモヤを誤魔化すことはできなかった。
警察は未成年で店を手伝うタツキの存在にも言及したのだ。
あくまでも身内の仕事の手伝いであることや、ホールがレンタル内容で画廊になったり、ジャズや演劇会場に使われることなどを説明し、彼らが渋々納得してくれたのが幸いだったが、タツキは終始肝を冷やす思いだった。
そういう事がちょこちょこ起こるから、タツキはおせっかいを承知で口出しする。
「入り口で買ったチケットはリファウンドできるように話しとくから、もう帰った方がいいよ」
ところが彼は、のんびりと答えた。
「困ったなぁ…」
目を細めて、口元には笑みが浮かび、その様子はちっとも「困った」ものではない。
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