第8話
「誤解してないかい?ベイビィT。話しかけてきたのはこのニホンジンからだ。どうやら“サクラドリンク”が欲しいようだぜ?見境なくあっちこっちに聞いてまわってるからサミィが俺たちを紹介したって訳さ。だから俺たちがテイネイに相手してるんだよ」
嫌みなくらい上手にウインクを決めると、肩をすくめて離れた場所にいるサミィに目をやる。
タツキは小さく息を吐いて、ごめんごめんと呟いた。
「でもグランマの店で、トラブルはなしだよ?それからゲイの集まる場所に、この日本人を連れていくのもダメ。サミィは最近そういうのでコネクションを増やしてるのも知ってるんだから」
やりとりに、日本人がぎょっとする気配がした。どうやら英語は通じているようだ。タツキは彼にもまた、同じ口調で注意する。
「犯罪未満でハイになるものを探すなら、繁華街のショップが確実。法に引っかかるものなら深夜の通りでウロウロするといいよ。でも絶対お勧めしない。それからここはトラブル厳禁。その原因になりそうな人は、出入り禁止にしてもらってる」
先月は、ディープな雰囲気とかっこいい外国人に出会えるとかいう中途半端な情報を耳にして、神奈川から観光で来た女性3人組がマリーンの男たちと店を後にした。
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