第6話
探していけばいくらでも湧いて出る雑用に切りをつけ、今日の仕事はここまでとDJブースのジェイクに片手で合図を送る。
偶然気づいてくれたジェイクは陽気に投げキスを送ってきた。
眉間の皺を深くしてそれを受け止めたタツキは、それと同時に視界の端に何か違和感を感じた。
それはタツキの特技と言える「感」で、例えば普通の痴話喧嘩は始まるまで気づかなくても、刃物が飛び出してくるような喧嘩はそうなる前から察することができる。
空気の色が違うとか予兆がするとか大袈裟なものではなく、目に映る人の仕草や表情の些細な不自然さを判断しやすいのだろうとタツキは思っている。
複雑な家庭環境にいる子供が、自分を守る為に周囲を伺い警戒心を強めることは珍しいことではないとテレビでもカウンセラーが言っていた。
で、どうしよう…。
タツキは意識せず唇を尖らせる。
数秒目を閉じて、…結局彼女は「そこ」に近寄っていった。
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