第5話
時刻は9時を少し回ったくらい。
まだ未成年のタツキは、夜の10時には手伝いを切り上げるようにしていた。
今は直接店に立つことはないが、この建物のオーナーは今年70歳を超えるタツキの母方の祖母で、タツキを十年近く育ててくれている恩人でもある。
みんなに『グランマ』と呼ばれて慕われている、ふくよかでいつもにこにこ笑い返してくれる愛すべき人物。
彼女が未成年の孫を心配するから、タツキはグランマの就寝前には二階にある住宅に戻るようにしていた。
未成年の配慮もある。
例えば堂々とアルコールを飲んだり、客に販売しないとか。
男たちが酒に悪酔いし始める前に引き上げるとか。
店裏の車内や、トイレで絡み合うあけすけな性行為を見ないフリするとか。
とにかくタツキは「旨いこと日々を送る方法」を努力していて、今のところそれは成功していた。
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