第2話
数回通って仕上がったタトゥーは、黒の縁取りの3センチくらいの小さな蝶。
じっと見ると、淡く紫と藍の模様づいた羽だとわかる。
罪悪感は、 ない。
おそらく後悔もしないだろう。
だけど、ただ…
ただ、グランマの言葉が、何故か脳裏に響いていた。
『タツキの肌は、とても綺麗だね。白人の白さと、日本人の絹肌と、ちょうどいい具合に混ざってる。日焼けし過ぎないように、大切にしなさい』
海で一日中遊んだ後の真っ赤な肩に、アロエを塗りながら言ってくれた言葉。
傷つけているんじゃないよ。グランマ。
これは、私が明日に進むための儀式だから。
私はそっと、
蝶に触れた。
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