butterfly

第1話

彫り師は、まるでエステティシャンのように繊細に私の肌を確認した。



 おへそから少し下、


 そこから右側の骨盤ぎりぎりの位置。


 よく手入れされた爪と少し冷たい指先は、冷静にその一点で止まる。




「皮膚が薄いから浅めに彫る」ことと、「皮膚に麻酔成分の含まれたクリームを塗る」ことを淡々と説明した後、彼女は私の肌に針を刺した。




 電動の針先の振動は細かく早く 、想像していた痛みとは違う。


 痛みはチクチクと傷つけられるというよりも、火傷のような、擦り傷のような熱さが強くて、知らず両手を握りしめていた。

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