第47話

顔を真っ赤にしながら、頭を両手で抱える。

いろんな考えが、頭の中で高速回転している。

そんなあたしを見た2人は、ふふっと笑った。


「命短し恋せよ乙女ってやつ?」


「青い春ですなあ」


2人は腕を組み、うんうんと首を縦に振りながら、それぞれの言葉に頷く。


「ま~ちゃんは、ひ~ちゃんの事をどう思う?」


質問の意図が読めない。


「どうって?」


「かっこい~とか、かわい~とか、こういうところが魅力的~とか」


「瞳さんは…優しくて、温かくて…。

 こんなあたしも気に掛けてくれて、笑った顔が眩しくて」


言葉にしていく。

彼女を言葉にしていく。


「好きなジャンルの本も似てるから、話しやすくて。

 瞳さんが笑うと、つられて自分も笑ったりとか」


以前、母親に『最近笑う回数増えたね』と言われた事があった。

それはきっと、彼女のお陰だと思う。


あたしが彼女について色々話していると、2人は黙って聞いていてくれた。

ひとしきり話し終わると。


「うん、これはもう答えは出てるね。

 遅かれ早かれ、問題は解決するんじゃないかな」


「アタシもそ~思う。

 焦れったい感じがもどかしいけどね~」


「えっえっ?」


戸惑うあたしに、2人は穏やかに微笑む。


「舞、そんなに心配しないで大丈夫。

 うちらは話を聞いてあげる事しか出来ないけど。

 これはうちらがお手伝い出来るけど、当人達で解決しなきゃ意味がないと思う。

 今は色々不安に思ったり、心配になったりするかもしれないけど、そんなに考え込まないで平気だよ」


答えが出てるとは?

解決法は、未だに解らない。


「ま~ちゃん、『こんなあたしなんか』なんて、簡単に言っちゃ駄目だよ。

 ま~ちゃんは綺麗だし、もっと自分に自信を持てるようになれるといいな。


 話もちゃんと出来るし、意志疎通だって出来てる。

 優しいし、人への気配りも出来てる。

 アタシはま~ちゃんと関わるようになって、まだ日は浅いけど、ま~ちゃんが優しいいい子だって解ってるよ」


「うちがプリントで指切った時も、すぐにバンソコくれたり、筆箱忘れた時にシャーペンとか貸してくれたし。

 舞は周りをちゃんと見てるし、優しいよ」


「そんな事ないよ」


大した事をした訳ではないのに、こんなに優しくてありがたい言葉をくれるとは思っていなかった。

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