第14話

ヴーッ、ヴーッ


携帯が震えた。

バイブの音に驚き、思い耽っていたが現実に帰還する。


携帯を見てみると、メッセージが届いていると通知が。

メッセージを送ってきたのは。



『お~い、起きてる~?』



彼女だった。

明るく元気な笑顔が目に浮かぶ。


メッセージを開いてみる。

と、また携帯が震えた。

今度はスタンプが送られてきた。


「起きてます」


文を送信し、あたしもスタンプを送ってみた。

すぐに既読がつく。


『初メッセおめでと~。

 そしてありがと~』


彼女らしいメッセージが面白い。


「こちらこそ、ありがとう」


文末に笑顔の絵文字をつけて送信してみる。

そして、すぐに既読がつく。


『今何してたの?』


「瞳さんから貰った栞を見ながら、昔お世話になった先生の事を思い出してました」


『そっかあ、私はご飯食べ終わって、風呂入ってきたところ。

 明日は学校休みだけど、部活に顔を出さなきゃいけないんだ。

 雨でも降らないかなあ』


「休みの日なのに大変ですね」


『大会も近いから、後輩達の面倒見なきゃいけないんだ。

 先生にもあてにされちゃってるし、断れないのがしんどい。

 てか、敬語やめよ~う』


「すみません、どう話したらいいのか…」


『少しずつ敬語で話すのをやめてみたら?

 読書最高だぜ、うほほ~い!みたいな』


「うほほ~い!」


『ごめん、携帯見て吹き出しちゃったよ。

 舞は面白いなあ』


面白いだなんて、初めて言われた。


『舞ともっといろんな事を話したい。

 今度学校帰りとか、休みの日とかに遊びに行こうよ』


「あたし、カラオケとか苦手だよ?」


『カラオケじゃなくても、カフェとかご飯とかさ。

 何なら公園で日向ぼっこでも。

 デートしましょ、デート』



デート!!??



「えっ!えっ!!デート!?」


『遊びに行くの、ふざけてデートとかって言わない?

 あり?私だけかな?

 まあ、とにかく遊ぼうね。

 来週また逢った時に話そう。

 ほんじゃ、またね』


デートという言葉に、過剰に反応してしまった。

彼女とデート…べ、別に腕を組んだり、手を繋いだりする訳じゃない。

何を意識してしまってるんだ、とりあえず落ち着かないと。


両手で両頬に触れてみたら、とても熱かった。

ついでに心臓も少し速くなっている。


彼女からのメッセージを読み直し、意図を解釈したあたしは、今度は恥ずかしくなり、再びを顔を熱くしてしまったのだった。

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