7月/気持ち
第37話
夏はどうして暑いのだろう。
私は暑さが苦手だ。
故に暑い中、学校に行くのが非常にしんどい。
日傘をさして歩いても、陽射しは避ける事は出来ても、暑さまでは避けきれない。
早く夏が終わればいいのに。
相談室に着くと、すぐにエアコンをつける。
部屋が広いせいもあり、なかなか冷えないのが辛いところだ。
生徒達は期末テストの時期か。
それを乗り越えれば、夏休みが待っている。
夏休みか。
今年は何処かに行こうか。
8月のお盆は、毎年恒例の実家帰りだ。
里美は夏のイベントに向けて、衣装作りに励んでいる。
これも毎年恒例だ。
暑いのは嫌いだが、祭りや花火大会は嫌いではない。
また里美と一緒に行こうか。
里美の衣装作りの進捗状態を聞いてから、行くかどうかを決めるとしよう。
放課後。
暇を持て余していた為、読書をしていると。
「こんにちは」
ドアが開き、顔を覗かせたのは白石と、もう1人女の子が。
「いらっしゃい。
白石の友達?」
「幼馴染」
「こんにちは、上原希美です。
いつも雪ちゃんがお世話になってます」
はきはきと喋る子だな。
雰囲気の良い子だと思った。
「はい、お世話してます」
私の返答に、上原はけたけた笑う。
2人は部屋に入ると、椅子に腰掛けた。
「で、本日はどの様なご相談で?」
2人の対面の椅子に腰掛けながら、声を掛けてみる。
「希美が先生と話してみたいって言うから、連れてきてみた」
「私と?」
「先生がイケメンだから、話してみたかったんだって」
「いやいや、私はイケメンじゃないってばよ」
「みんなイケメンって言ってますよ!
背も高いし、スラッとしてるし、声も低くていい感じだし」
「そしてチャラ男」
「だからチャラ男じゃないっての」
上原は楽しそうに笑う。
「てか、期末テストは?」
「あたしは別に問題ない」
「アタシはちょっとヤバいんですよね」
「勉強しないで、こんなところに来てる場合じゃないんじゃないか?」
「息抜きも必要でしょ?」
まあ、それは一理あるけども。
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