第20話

家の話になると、寂しい顔をするのは何でだろう。

帰り道、歩きながら考えてみる。


ご両親と仲悪いのかな?

まあ、思春期だしなあ。

そういう時期なんだろう。


ただ、がらんとしている家の中は、広くて寂しいというか。

本当なら、「おかえり」と出迎えてくれる母親がいてくれた方が嬉しいのではないか。


いろんな家庭がある。

相談しに来る子の話を聞いていても、考えさせられる事も多い。

みんながみんな、良い家庭環境で過ごしている訳じゃない。


以前よりは、白石も大分話すようになってきたんじゃないだろうか。

根本的な話になると黙ってしまうが、それでもゲームをしている時は、何処にでもいる普通の女子高生だ。


少しずつ心を開いてくれているのだろうか。

それなら嬉しく思う。

何か深いものを抱えているようにも見受け出来るし、それを少しでも軽減する事が出来たら。

そしたら、もうちょい笑ってくれるだろうか。


どちらにせよ、あまり深入りは出来ない。

私からぐいぐいいって、逆に引かれてしまってはもともこもない。

焦らずに距離を取りながら、白石の悩みを聞いていけたらなと思う。



そう、誰だって闇を、孤独を抱えている。



何だろな、白石は放っておけない感じの子だ。

放っておいたら、何処かにふらっと行ってしまいそうな、そんな感じ。


関わりだしてから、まだ日も浅い。

少しずつ、白石の事を解っていけたら。


小さな切っ掛けで、大きく前進する事もある。

焦らないで、気長に見守っていこう。

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