第13話

そして現在。

私のゲーム機を取り上げたまま、ひたすらゲームをやっている白石。

おかしいな、私がゲームを楽しんでたんだけどな。

てか、だから授業中じゃないんか?


「白石、次の授業は出ろよ?」


椅子の背もたれにもたれながら、白石に声を掛ける。


「気が向いたらね」


「いや、だから向かなくても受けろって」


「てか、先生の武器も防具も少なすぎ。

 素材も全然ないじゃん」


「私は1つの武器と防具で挑み続けるタイプなの。

 …いやいやいや、モン○ンの話じゃなくて、授業の話をしようよ!?」


漸く私にゲーム機を返してくれた。

白石の顔を見ると、少々不服そうだ。


「仕方がないから、次の授業は受けてあげる」


「何で上から目線なんだよ!?」


「明日あたしもゲーム機持ってくるから、一緒に狩りに連れてって」


「なんだそりゃ、意味解らんし!?」


「あ、チャイム鳴っちゃった。

 じゃあね、先生」


すっと立ち上がると、私に手を振って出ていってしまった。

おかしい、何で私が生徒に振り回されてるんだ?


昼休み。


「まさか白石さんと1狩り行くと思わなかったわ」


「いや、そこじゃなくてだな。

 授業中に狩りに行くのがおかしいのと、授業受けないで相談室にいる事が問題なんだって」


2人で昼食を取りながら、会話をしている。


「まあ、学校を抜け出したりしてる訳じゃないんだからいいんじゃない?」


「それはまあ、そうなんだけどさ」


「白石さん、狩り上手かったなあ。

 涼ちゃんより、全然上手かったよ」


「どうせ私は下手くそだよ」


「えいえい、怒った?」


「怒ってないよ、呆れてんだよ」


昼食を済ませ、学校の裏に行き、バレないように一服。

堂々と煙草を吸えたらいいのに。

電子タバコ、味気ないからあんまり好きじゃないんだよな。


それにしても、あれからちょくちょく相談室に白石が来るようになった。

授業中にふらっと訪ねてきたり、放課後に来てみたり。


相談を持ち掛けてくる事はない。

他愛のない話を、何となくしている感じだ。


いまいち白石の事が掴めないでいる。

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