第7話

トーストをお皿に載せてる父の、

嬉しそうな顔と、でっぷりしたおなかを見てる私の考えを

読み取ったかのように、美少年が


「例の振り子が動き出したみたいなの。

でも、美少年を好きにならずに、ママ自身が美少年になっちゃったのよ。

これもパパへの愛情ね。」

と言いながら、当然のように椅子に座る。


「あんた、ママだったら、父さんを手伝ったらどう?」

と私が言うと、


「ジジこそ手伝えば?

美少年は、下働きなんてしなくていいのよ。」と、すましている。


父は、嬉しそうな顔のまま、

「いいよ、ママは座ってて。美々子、

ママにミルクティ作ってあげて。」と私に言う。


「えー、なんで私が。」と口をとがらせると、

「牛乳を先に入れるのよ。間違わないでね。」

と美少年が偉そうに言う。


「ちょ、何、この状況。ほんとにママなの?」

でも、私は、薄々気づいてた。


この感じ、確かにママだ。


私をジジって呼ぶのもママだけだ。

ママは問いには答えず、

「蘭丸にしたから。」と言う。


「何よ、蘭丸って。」

「名前よ、ママの。ママって言うか、この美少年の。」


「は?何それ。」

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