第4話

(うーんやっぱりこの状況、夢かもなあ?)

と思いながら、

取りあえず歯を磨くことにする。


驚いて起きてはみたが、まだ頭がうまく働かない。


変な方向には働いてるのにな、と自分で自分にあきれながら、

パジャマのままよろよろと、洗面台に向かう。


洗面台の鏡に映る私は、相変わらずぼんやりした顔だ。


その私の頭の上に、さっきの美少年が現れて、

ニコニコしながらあごを乗せた。


うわ、顔小っさいわ。私の半分ほどかよ?


「ちょ、重いって!」と頭を上にあげて、

美少年のあごに頭突きをした。


美少年は、あごを撫でながら、私からちょっと離れ、

鏡の中でにやにやしている。


ふん。鏡に映るってことは、ヴァンパイヤとは違うな、

とか考えてると、鏡の中の美少年が口をきいた。


自分の頭のてっぺんを片手で抑え、

「ほら、背も高いの。180近いんじゃないかなあ」

と嬉しそうだ。


ほんと、なんなんだ、この美少年は。

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