第3話
背も高く、ほっそりして手足が長い。
顔だけじゃなく、全てが美しいってどういうことよ?っていうか、
「誰?」
私は、これが夢だったら大声出したら恥ずかしいかも、
と変な思考が働いて、
掛け布団をつかみ少し顔に近づけて、小さな声で聞いてみた。
「だから、ママよ、あなたの。ママ、美少年になっちゃったのよ」
と、その少年は、うひゃひゃと楽しげに笑った。
「はああああ!?」
私は、今度は大きめの呆れ声を出して、がばっと身を起こした。
「何、それ。あんた誰?ママって何よ?どういうこと?
ていうか、ほんと誰?」
美少年は、ニコニコ笑ってる。
笑顔も可愛い。
うわあ。なんて可愛いんだろう。
目が覚めて、目の前に知らない男子がいる。
考えてみれば(考えてみなくても)そんな素っ頓狂な状況なのに、
怖いとか、悲鳴を上げる、とか全く頭になくて、
うー、この子可愛い、ナマの美少年って初めて見たけど、
ほんとすごい(首にリボンはつけてないな)、
しかしまあ、美形の子ってのは、見てる者をいい気持にさせるね、
などと、妙に冷静に喜んでる自分に笑える。
美少年は、美しい白い歯を見せて笑顔で言った。
「さ、ジジ、起きて。パパの朝ごはんを食べよう」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます