第2話

でも、

「ねえってば、ジジ。ほらぁ」と、執拗に揺らすので、


「うー」と声をだしながら、ぼんやり目を開けると、

今度はピンクの唇が見えて、

何か言おうとするように開いた口元から、

びっくりするほど綺麗な、白く整った歯が見えた。


おう、CMの歯並びじゃ、こんな歯並びが存在するんだなあ、はああ。


親知らずはどうしてるんだろう、

などと、とりとめのない疑問が浮かんで、


は?へ?そういえば誰の歯?と、

そこで意識がはっきりして、目が覚めた。

 

目と口元だけじゃない、

素晴らしく美しい顔がそこにあった。


しかも、れっきとした男子である。

同い年くらいの。美形の男子。

すなわち、絵に描いたような美少年ってやつ。


うひゃあ。なにこれ。プレゼント?

美少年の首にリボンがついてて、僕をどうぞ、なんちゃって。うひひ。


と、おっさんみたいなことを考えていた。

ま、寝起きだから、頭も働いてない、というか、妙な働きをしてる。


その美少年はにっこり笑って、私から離れ、

3個の時計のアラームを次々解除している。

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