第85話
1日、2日、3日…。
何もない日々は過ぎ行き、あっという間にプールの日になった。
天気は申し分ない程の快晴。
太陽がアスファルトを照らし、跳ね返る暑さに汗が流れる。
駅の日陰で待っていたのは、1番乗りのありさだった。
2番目の到着は澪。
3番目は梓。
最後に少し遅れて美咲がやってきた。
「お~す、遅かったね」
「昨日徹夜で読書しちゃって、朝起きるのが遅くなっちゃったんだ。
松本さん、おはよ」
「梓でいいっすよ。
僕も美咲って呼んでもいい?」
「勿論。
…澪もおはよ」
ぎこちない笑顔で澪に話しかける美咲に対し、澪もぎこちない笑顔をで対応してしまった。
「よっしゃ~、とりあえず向かうよ~」
電車に乗り込み、目的地のある駅を目指す。
夏休みもあり、電車は少し混んでいた。
イケメン2人に、可愛い女子が2人。
車内では十分目立っていた。
駅に着き、プールに着くとチケットで入園。
ロッカールームへと向かう。
子供連れがいたり、美咲達と同じように友達と来ていたり、幅広い層の人がいた。
最初に着替え終わった美咲は、邪魔になるからと先にロッカールームを出た。
続いて梓が出た。
美咲と合流した梓は、きょろきょろと辺りを見回す。
「TVとかでCMは見た事あったけど、こんなに大きくて広いとは思わなかったなあ」
「確かにデカいよね。
流れるプールも長いし。
スライダーもあるから、あとで滑りたいな」
「こりゃあ1日中遊べるね」
「うん。
遊びつくさないと勿体無いね」
「うんうん。
あ、2人とも来たよ」
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