涙雨のち晴れ笑い

第38話

金曜日。

いつもと変わらない1日が始まる。


いつものようにありさと登校し、自分の席に着く。

ありさとくだらない話をしていると、澪がやって来た。


なんとなく元気がないように思えた。

いつもなら、少し照れながら「お、おはよ」と挨拶をしてくれるのに。


最初は口数こそ少ない2人だったが、少しずつ喋るようになった。

元々ありさと澪が友達だった事も手伝って、仲良くなるのにそう時間はかからなかった。


「おはよ、澪」


ありさが先に声を掛ける。

気付いた澪は、軽くにこっと笑い、短くおはよと言って席に着いた。


「澪、おはよ」


続けて美咲も声を掛けてみる。

そちらに顔を向けた澪の瞳に、上手く読み取れない影が見えた気がした。


「どしたん~?

 具合悪いの?」


「ううん、なんでもないよ~」


無理をしているのは、見え見えな訳で。

けど、あまり突っ込んでいくのもよくないかと思う訳で。


「気分悪かったら、すぐに言ってね。

 保健室一緒に行ってあげるからさ」


「そのままサボりたいだけだろ」


「まあね~」

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