第27話

午後になり、準決勝が行われた。

美咲とありさの活躍により、なんとか逃げ切る事が出来た。

相手のチームにあと1点入っていたら、美咲達は敗退だった。


決勝になり、美咲は澪の代わりに試合に挑む。

順調に進んでいたが、美咲のチームメイトが突き指をしてしまい、代わりにありさが出る事になった。


ありさの的確なアシストにより点数を稼ぐものの、すぐに追い付かれてしまう。

追い付き、追い抜きのまま前半戦が終了した。


「後半戦で逃げ切らないとヤバいな。

 スタミナがもたんわ」


心配そうな表情を浮かべながら、「田山さん、立て続けに出て疲れてるんだから無理はしないでね」と澪。


不意にありさが呟く。


「諦めたらそこで試合終了だよ」


「どっかで聞いたセリフだなあ、おい」


クラスの子達を見渡した久保が、気合いの入った声で話す。


「とにかくやるだけやろう。

 勝ったら私はみんなに…」


「えっ、焼肉奢ってくれんの?」


「真心たっぷりのジュースを奢ります」


「真心たっぷりのカルビ食べたい…」


「さあさあっ、後半戦始まるよ~っ!」


ありさの声は聞こえなかったふりで流され、強引に終わらされてしまったのだった。

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