第26話

違うチームの試合が終わると、1時間の休憩に入った。

体育館から出て、静かな場所を見つけると、ちょうどよくベンチがあったので、腰を下ろした。

昼食をとりながら、美咲とありさで話し込む。


「しっかし、いの1番にみさきちが澪のところに飛んでいくとはなあ」


「気付いたら体が動いてたんだよ」


余程空腹だったのか、口一杯におかずを詰め込んでは、豪快に頬張る美咲。

ありさも負けてはいない。


「てか、すげ~軽々しく澪を持ち上げたね」


「佐山さん、軽かったから。

 それに筋トレしてるから、力には自信あるし」


「昔から格闘技にハマっては筋トレしてたよね。

 今は何にハマってんの?」


「ボクシング。

 ボクシングジムに通おうかなあって」


「チャンピオンになるん?

 試合に勝ったら、『エイドリア~ン』って叫ばなきゃじゃん」


「叫びたいからボクシングやる訳じゃねえぞ」


「空手に柔道に合気道。

 で、次はボクシングときたもんだ。

 そんなに強くなってどうすんの?」


「己の精神を鍛え上げる」


「…あっそ。

 そうそう、試合だけどもね、次が準決勝ね。

 それに勝って決勝に勝てば、うちのクラスはめでたく優勝ですわよ。

 澪の代わりにみさきちが出るなら、2試合連続で出る事になる。

 スタミナ的にはどうなん?」


「まだまだスタミナはあるよ。

 スタミナきれたら、リポDでも飲むかな」


「澪に格好いいところ見せられるといいね~」


「ニヤニヤしながら言うなよ。

 私はクラスを優勝に導く為に頑張っ…」


「あいあい、解りましたわよ」


「話は最後まで聞けよ……」

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