第21話
その日のHRで、チームの発表があった。
体育委員と久保がバランスを考え、あれこれ試行錯誤をして決めたらしい。
美咲とありさは同じチームだった。
たまに時間がある時は、体育館にあるバスケットゴールを使い、2人で1対1をやる等して、感覚を取り戻していった。
球技大会は1週間後。
勝負事が好きな2人故に、気合いが入らない筈がなかった。
大会当日。
試合は体育館で行われた。
各クラス、気合いの入り方は尋常ではなかった。
何処で用意したのか、応援団が着るような学ランを着用し、太鼓を叩きながら応援するクラスもあれば、手作りのボンボンを振って応援するクラスもある。
美咲達のクラスは赤色のTシャツに、赤色のハチマキをする事になった。
Tシャツの後ろには、手書きで大きく「必勝」と書かれている。
第1試合は隣のクラスとだった。
現役のバスケ部もいる強豪揃いだったが、美咲達のチームは圧勝だった。
違うクラスからの、美咲への声援が凄かったのは言うまでもない。
相手チームに点数が入ると、壮大なブーイングが起こった程だった。
それだけ美咲の人気は計り知れなかった。
続いて澪のいるチームの試合が始まった。
澪は球技は得意で、中でもバレーボールが1番上手かったが、2番目に得意なのがバスケだとありさが言っていた。
軽やかに相手からボールを奪い、ゴールまで走って行き、綺麗なレイアップをきめる。
その度に沸き上がる歓声。
澪の顔にも余裕が出てきたよう見える。
大いに盛り上がりを見せた、そんな時だった。
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