第18話

「佐山さん、バイトしてるんだ?」


うわあ、王子様が話し掛けてきてくれたっ!

こ、これはナチュラルに会話しなきゃだわよ。


「へあっ!?

 あ、いや、うん、本屋でバイトしてるっす」


おぃぃぃぃっ、全然ナチュラルじゃねえよっ!

何処の部活の先輩・後輩の会話だよぉぉぉっ!!


「なんか澪、かなりどもってるし~。

 どしたん?」


あ、ありさに笑われてる。

そりゃあそうだよね、かなり挙動不審だもん。

とりあえず、この場を離れなくては。


「なんでもないっすよ、まじで!

 じゃあねっす!」


ああ、もう少し話してみたかったな。

でも、まだ無理だ。

免疫が無さ過ぎる。

てか、「じゃあねっす」って何だよ、自分よ…。


少しずつ慣れていくといいな。

いっぱい話をしてみたい。

でも、きっと人気者になりそうだから、なかなか話せないかな?

ありさが一緒にいる時だったら話せるかもしれない。


それにしても、何を食べたらあんなに素敵になれるんだろ。

羨ましい限りだなあ。

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