第17話

自己紹介が終わり、久保の簡単な話が終わると、体育館で始業式があり、教室に戻り、掃除をして終わりだった。


早速ありさが近付いてくる。


「あ~、もう最高でしたわよ、みさきち様。

 こんなに笑ったの、かなり久し振りだわ」


「どんだけ笑ってんだよ。

 てか、涙目になってんじゃんか!

 こちとらみんなから見られまくりで、逃げ出したい一心だったのに」


「ムービー撮りたかったなあ」


「うっさい、バカ」


すると、クラスの子が会話に入ってきた。


「ありさ、田山さんと知り合いなの?」


「ん?

 ああ、そうだよ。

 幼馴染なんだ」


「そうなんだ~。

 あ、あの、田山さん、よろしくねっ」


「あ、うん。

 此方こそ…」


「こいつ昔っから人見知りなんだ。

 慣れるまで時間がかかるかもだけど、悪い奴じゃないからさ」


そう、昔から人見知りなのだ。

慣れてしまえばなんの問題もないのだが。


「あ、澪帰るの~?」


帰る支度をしていた澪に、ありさが声を掛ける。


「うん、午後はバイトあるからさ」


割り込むつもりはなかったが、美咲も澪に声を掛けてみた。


「佐山さん、バイトしてるんだ?」


「へあっ!?

 あ、いや、うん、本屋でバイトしてるっす」


「なんか澪、かなりどもってるし~。

 どしたん?」


「なんでもないっすよ、まじで!

 じゃあねっす!」


鞄を持って席を立つと、ぎこちなく手を振りながら足早に去って行った。


「佐山さん、熱でもあるのかな。

 顔真っ赤だったし」


「普段はあんなんじゃないんだけどなあ。

 面白かったからいいけど」


「いいのか」


「それより早く帰ろうよ。

 母ちゃんが昼飯食って行けってさ」


「まじで?

 みどりちゃんの飯久し振りだなあ。

 よし、早く行こう」


「おいこら、待て。

 じゃあ、うちら帰るわ~」


「あ、田山さん、また明日ねっ!」


「うん、また明日ね」

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