第14話

学校始まっちゃったなあ。

春休みはバイトで終わっちゃったし。


卓也…彼氏のくせに、全然構ってくれなかったな。

最近なんか微妙だし。

なんだかなあ。


クラスの子達は、みんな新しく入ってくる子に夢中か。

興味がないと言ったら嘘になる。

どんな人なんだろう。


めっちゃめちゃ格好いい人ならいいなあ。

絵に描いたような、王子様みたいな人。


まあ、格好良くたって付き合うとかある訳じゃないし。

目の保養みたいな感じ。

てか、女子にイケメンとかないか。


あ、先生が入ってきた。

去年も一緒だったし、優しくていい人だから、どの先生よりも好きだなあ。


「じゃあ、田山さん、入ってきて」


いよいよ編入生のお出ましか。


……えっ!?


えっ、えっ、えっ!?

ちょっと待ってよ、まじでイケメンだ!

てか、まじで王子様だ!


金髪っぽい髪色で、左目が前髪で隠れてる。

背高いなあ、細いなあ。

色白だし、顔小っさ!

モデルでもやってんのかなあ。

左耳だけピアスを5個してる。

あ、軟骨も開いてる。


「田山…美咲です、よろしくお願いします…」


うわあ、ちょっと低めの声っ!!

こんな声で耳元で囁かれたら、間違いなく昇天するわっ!


……お、落ち着けあたし。

なんでこんなに動揺してんだろ。


えっ、目が合ってる?

凄く綺麗な瞳。


薄いピンクがかった口唇も綺麗。

どれもこれも、目が奪われる。

何処となくミステリアスな感じがする。


こんな素敵な人が女の子だなんて。


……あれ?なんか、あたしドキドキしてる。

いやいやいや、相手は女の子ですってば。

だがしかし、この胸のトキメキはいかに……。


あ、目をそらされちゃった。


「席は佐山さんの隣ね」


先生~~っ、グッジョブ !

こんなイケメンを毎日見れるなら、無遅刻無欠席間違いない!


あ、こっちに向かってくる!

待って王子様、まだ心の準備が…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る