第6話

「こんないい所に1人で住むの?贅沢すぎ~」


「両親に言ってくれ。

 私はただ、任せただけだし」


「今度改めて遊びに来てもいい?」


「いいよ」


「自分の荷物も持ってくるから、一緒に住んでもいい?」


「1度と言わず3回地獄に墜ちろ」


部屋に入ると一角にまとめられた段ボールがあるだけで、これといってまだ何も無い。

部屋は洋室が1部屋、少し広めの居間と、簡単なオープンキッチン。

風呂とトイレが別なのは、やはりありがたい。

ベランダに出てみると結構広くて、街を十分に見渡す事が出来た。


「よっし、早速片付けるぞ」


「よっし、私は片付けが終わるまで寝てるぞっ☆」


「お前何しに来たんだ!」


「だって、やんぱりめんどくなって」


「いいから早く手伝えよぉおおお!」


ありさの頭を叩いてから、片付けを始めた。

荷物はそんなにないのだけど、集めた本やCDが溢れている。

さっさと棚を組み立てて、収納しなければ。


あれこれ考えていると、ありさが突然大きな声を出した。


「うっほお、これ下着が入った段ボール!!」


「やめろ、それは私が片付けるっ!」


「何言ってんだ、あたしは手伝いに来たんだから、ちゃんとやらなくては!」


勢いよく段ボールの蓋を開け、むんずと下着を掴むと、まじまじと見始める。


「こ、こんなアダルティーなブラを付けてんのきゃ!?

 あ、なんかいい匂いするっ!!」


「ちょっ、やめろっ!

 アホか!」


「うわっ、黒とかっ!

 黒なんてみさきちにはまだ早くてよっ!」


「何キャラだよっ!

 返せ、バカっ!」


漸く下着を全て奪い返し、ありさに回し蹴りを喰らわせ、動かなくなったありさを横目に、片付けを再開したのだった。

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