第5話

「みさきちの家って、2つ目の駅だよね。

 電車で通うん?」


「いや、バイクで学校の近くまで行って、どっかの駐輪場にでも停めて、そっから歩いて行こうかなって」


「あ、そっか。

 バイク持ってんだよね。

 今度乗せろ」


「金払うなら、いくらでも乗せてやる」


そんなやり取りをしながら家に向かった。


電車通学やバスも考えてみたけど、正直なところ人が多い所は苦手な訳で。

ましてあんなぎゅうぎゅうなところに、飛び込む勇気も無い。

なんやかんや考え、やっぱりバイクで行く事にした。

バレなきゃ大丈夫…多分。


学校がある駅から2つ目の駅に、両親が見つけたマンションがある。

駅からは歩いて10分くらいの所だ。


駅周辺は賑やかで、居酒屋があちこちにある。

大きいスーパーもあるし、コンビニもあるから、生活面では問題は無さそうだ。


「あ、ここ?」


「うん、ここの3階」


5階建てのマンションで、そんなに古くもない。

ちょっとモダンな感じもする。

気に入るまでに、時間はかからなかった。

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