第4話

編入試験を終え、晴れて高校2年生になれた。

新しい学校の名前は、谷山女子高等学校。


制服はセーラーではなく、ブレザーだった。

黒めの紺に、襟は白で全体は薄青の丸襟ワイシャツ。

濃いめのグレーに白の模様が入ったスカート。

薄い生地の白のベスト。

リボンは少し濃い赤紫色で、ペイズリー柄が入っている。

リボンとは別に、黒の無地のネクタイも貰った。

どちらをつけるかは自由だそうだ。


鞄に指定はなかったから、黒のちょっと大きいリュックにした。

靴は気分で変えようと思い、黒のローファーとスニーカーを用意してある。


制服の受け取りを終え、約束の場所に向かうと、そいつはいた。


「み~さ~き~ち~いぃぃぃっ!!!」


周りに人がいない事をいい事に、堂々と私の名前を呼ぶこん畜生は、残念ながら幼馴染みである。


「みさきち」が本名ではない。

わたくし「田山美咲」と申します。

この残念な幼馴染みは、「外村ありさ」と言う奴です。


ありさとは幼稚園に入る前からの付き合いで、腐りすぎた縁でして現在に至ります。

私が引っ越しをした後も、わりと頻繁に連絡をくれやがったりしておりました。


「随分見てくれ変わったね~。

 髪長いのもいいけど、短いのも似合ってるからいいじゃん」


それまで長かった毛を、ばっさり切ろうと思いまして。

「彼氏と別れたからイメチェンよ!」的なそれではなくて、新しい生活に気合いを入れる為のそれです。


ロングからミディアムショートくらいの長さにした。

基本はウルフにして、前髪は斜めに切ってもらった。

髪色はほんのり明るいゴールドアッシュにしてみたり。


ありさと会ったのは、荷物の片付けをやらせる…いや、手伝ってもらう為だった。

少し前に電話で話した時、手伝ってくれると言ってくれたのだ。


2年ぶりの再会。

ちっとも変わっていないありさを見たら、なんとなくほっとした。

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