第2話

明日には、この街を去る。

僅か2年足らず。

親の都合での引越しだった。


未練は無い。

そう、清々しい程に。


楽しみがまるで無い訳でもない。

わりと憧れていた、一人暮らしも始まる。


何度目かの引越し。

両親は仕事の都合で、少し離れた所に行く事になった。


「一緒に来てもいいよ。

 なんなら地元に戻る?」


それなら地元に戻ると告げた。

簡単な返事がきて、早速私が住む所を探してもらった。


小さい頃に住んでいた場所の近く。

高校生には少々広めなマンション。

セキュリティーも問題ない。

文句は無かった。


荷造りは終わっていて、既に送ってある。

あとは自分がそちらに行けばいいだけだ。


高校はどうしようかと考え、地元に住む幼馴染に連絡をとり、相談してみた。


「あたしが行ってる学校に来ればいいじゃん」


答えは至極簡単だった。


女子高なのだが校則は緩く、ラフな所らしい。

まだ出来て間もない学校の様だ。

厳しくないのなら、それに越した事はない。

なにより、知り合いが全くいない所に行くよりは気も楽だ。

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