第53話

海side



「あの男は俺が殺る」


「「「「…………」」」」



ブォオオオオオオッ!!


あたしの髪にドライヤーをかけながら言う雷斗。



いつまで経ってもお風呂のドアを閉めない雷斗に諦めたあたしはお風呂から速攻で出た。



そして居間に行き、ソファーに座るとドライヤーを持ってきた雷斗に髪を乾かしてもらう。


その途中……で。


突然、雷斗が話しだしたもんだから。


ほぼ聞こえず。



「え!?ヤる!?雷斗、アンタコンビニ店長のことを」



ゴンッ!!



「痛しっ!!」



聞こえたまんまを口に出したら、ゲンコツをくらった。


しかも手加減なし!!



「殺すぞ」


「……もう殺されたようなもんだ」


「アハハッ!!どうやったらそう聞こえるのさ、海」



地佳に笑われる。



「え?聞こえたよね?ね?風磨」


「聞こえん」


「なぬ!?涼子さんは!?」


「えっと……聞こえてはないかな」



マジか。


嘘だろ……。


あたしだけだなんて。



ちなみにお祖母ちゃんは現在、お隣さんに回覧板を届けに行った。


暫く帰ってこないだろう。


どっちも話し好きだから。



「あたしはてっきり初恋に戸惑っているのかと……」


「もうお前、一回死んでくれ」


「なんでだっ。まだまだ生きるぞ、あたしはっ」



ブォオオオオッ!!



「熱熱熱っ」


「で?何があったの?雷斗」



地佳が聞く。



「……」



不機嫌・怒っている、そんな風に思われている雷斗だが頭に、髪に触れる手は優しい。


丁寧に丁寧に乾かしてくれている。



「雷斗?」


「雷斗」



あたしと風磨も聞く。


すると



「あの店長は従業員の隠し撮り写真・情報を……」


「……っっ」



涼子さんが息を飲む。


涼子さん……
























「客に売っている」

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