第52話
「なぁーにバカなことやってんだい!!」
鬼の形相でお祖母ちゃんが怒る。
「いやいや、お祖母ちゃん!悪いのは」
「アンタはさっさと風呂に入っておいで!!」
「うぁいっ」
「雷斗は床掃除!!」
「断る」
仁王立ちで拒否する雷斗。
が。
バカ雷斗め。
お祖母ちゃんに逆らうとは。
ドゴッ!!
拳骨が落ちる音を聞きながら、あたしはお風呂へ向かった。
盛大についたコーラを振り払いながら。
ケケッ。
掃除範囲を広めてやるわっ。
小さな仕返し。
Noside
「雷斗はムカつくことがあったら海をこれでもかって程構うよね」
「……」
「そうなんですか?」
「本人は無意識みたいだけど」
風磨、雷斗、地佳、涼子で床を拭いていると、地佳がそんなことを言う。
涼子が雷斗を見るも、雷斗は黙り。
だから風磨が答える。
「嫌なことっていうのは……」
「……」
涼子が話している途中で立ち上がる雷斗。
そしてスタスタとお風呂場へ。
「海が風呂から出たら話すと思うんで、待ちましょう」
「はい」
「涼子さんのせいじゃないから!」
「うん、ありがとう」
コンビニに行ってからの雷斗の不機嫌。
涼子は自分のせいだと思い、それは違うと否定する地佳。
そんな地佳に涼子は少しだけ微笑んでお礼を言う。
ガチャッ
「のぉっ!?」
「早く出ろや」
「なんだ、この甘えたっ。誰のせいで風呂に入ってると思ってんだっ」
「あの……」
雷斗が平然とお風呂のドアを開けたことに驚く涼子。
「いつものことだから」
やっぱり風磨が言う。、
「早く閉めろっ」
「は?無理」
「風磨ーーっ!!」
お呼びがかかる風磨。
それに心底嫌な顔をしながら、風磨は雷斗の回収に向かった。
「頑張れ、お守役」
「うるせぇぞ、地佳」
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