第49話

荷物を取りに行くとして。


あたしが行くのは必須として。


足を痛めていることを忘れていました。


さて、どうしよう?



「荷物もあるだろうから、海と風磨に地佳が家に行け。チャリで」


「雷斗?」



雷斗がそんな事を言って歩き出す。


何処へ行く?



「コンビニに行ってくる」



そうか。



「コーラ」


「チキン、チキン、チキン」


「ジャンプ」



買って来て欲しい物をそれぞれ言う。



「アホか。買い物に行くんじゃねぇよ」


「「「え???」」」



嘘だろ?って顔をするあたし達。


いや、わかってるよ。


男を、店長を見に行くんだろ。


それをわかって



「「「え???」」」



買って来てくれないの?


コンビニ行くんだろ?



「あーもうっ。金よこせや!!」


「「「え???」」」



金、よこせだと?



「よし、行こうか。涼子さん」



涼子さんの背中を押し、促すも……



「オイ……」


「いだだだだだだだっ」



頭っ


頭を掴まれ、グググッと力が込められていく。



潰れる!!



「払うっ払うからっ」


「よし」



雷斗がお金を受け取り、さっさと出ていく。



追い剥ぎだ……


追い剥ぎが居た……



「じゃあ俺らも行こう!!涼子さんは俺の後ろ」


「風磨、頼んだ」


「おう。さっ、行きましょうか」



風磨が涼子さんを促し、出ていく。



「なぁーんでさぁ!?」



その後をブチブチ言いながら、地佳がついて行く。



ちょっと出るだけでこの騒ぎ。


疲れながらも



「お祖母ちゃん、行ってくる」


「ん、気をつけてな」



お祖母ちゃんに挨拶をして、外に出たあたしだったが



「ん!!」


「……なぁんでお前が後ろに乗ってるんだ」



地佳があたしのママチャリの後ろに乗って、スタンバってるのを冷めた目で見てツッコんだ。



足を怪我してるって言ってんじゃん。



「冗談だって!!」



あたしのあまりに冷めた目に、地佳は慌てて前に乗りハンドルを握った。



「行くぞ、アホども」



呆れ顔の風磨。



「「誰がアホだ」」

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